「治療院事件簿Ⅱ」

2008/10/10 ブログ
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上下白衣で、髪もジェルでビシッとオールバック、40過ぎのおっさんがどのツラさげて表玄関までの15メートルを、靴もはかずに背中丸めてつま先だって小走りするのか?思わず大きく首を振った。「外はダメだ!」

しかし2メートル先にはかの「ど変態ヤロー」が鎮座(座っている状態なのかも定かでない)している。その上をまたいで向こうのドアを開けて治療室に入ってしまえばよいのだが、もしその瞬間に動かれようものなら、、しかしその動きも全く予想がつかないのだ。何せまだその正体もつかめてなければ、もしかしたら「鳴く?」それすらも分からない。

ただはっきりしているのは、「ヤツ」は生きている!間違いない。それはドアの角に触れた瞬間の「ペトッ・・」とした感触。そして取っ手のノブ越しに、私はかすかなぬくもりを全身で感じていた・・五感を超えた感覚で・・

微動だにしないその「鬼畜」は呼吸の気配さえ消し、(全人類が固唾をのんで見つめる状況を楽しんでいるかのような)、そんな余裕さえ感じる程・・静かだった。

 - 続く -  (上図参照 この事件はノンフィクションです)