院長の独り言(Cool or Hot!①)

2019/09/12 ブログ
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急性や慢性の痛みに対し「冷やし」てよいものやら「暖め」た方がよいものやら・・・迷うことが多いようです。

そこで今日は「炎症」に関して述べてみたいと思います。

「ギックリ腰」「寝違い」「肉離れ」「捻挫」「打撲」「骨折」・・・これらの共通項としてあげられるのは全て「炎症」を伴っているところです。

「炎症」を持つと「腫れ」ます。その他の所見として「熱感」「発赤」「痛み」を併発します。何故これらの諸症状が起こるのかと云うと、そこに組織の損傷が生じそれを修復するための血液が集まるからです。

分かりやすい例で「ひどい足首の捻挫」をあげてみましょう。

段差のつまずき足首を捻ったところに全体重が乗ってしまいました。「グキッ!」という音とともに激しい痛みが生じ全く足が着けない状態になりました。歩くことはおろかじっとしていても「ズキズキ・・」と強い痛みが延々と続きます。

この時なにが起こったのでしょうか?

足首の動く範囲をある程度固定している靭帯が、強く捻られたところに体重が急激にかかったため、断裂を起こしてしまったのです。これがいわゆる「捻挫」です。

脳は、損傷した靭帯組織を修復するため切れた組織から出血をどんどん促しながら、発痛物質(痛く感じさせる)を出し、パンパンになるまで出血を続けます。

だから熱感を持ち赤くなって腫れて痛いのです。痛みはそれ以上動かさせないため、もしくは怪我(キズ)に気づかせるために必要な生理現象です。

そして血液の成分は、壊れた細胞を食したり筋や靭帯や骨になるための幼い細胞を供給し、組織の細胞へと置き換わり損傷を修復し始めます。これら一連の炎症過程は治癒作用に重要な働きをするのですが・・・この血液が過剰に集まり過ぎるために、治りにくくいつまでも痛みが長引いてしまうのです。

治すために働く血液のメカニズムが炎症をもたらし、それが逆に痛みと治癒を長引かせる原因になっている!

さてその矛盾やいかに?・・・このお話し、明日へ続きます。