院長の独り言(「診断力」)

2017/02/02 ブログ
logo

今日、日本海及び関東以北は、強い寒冷前線の影響で極寒の強風が吹き荒れています。

朝早い牡蠣業者の方のお話だと、午前3時頃松島への高速道路走行中「ホワイトアウト」で前が全く見えなくなり、一旦停車して事態を見守ったとのことです。

こちら仙台で吹雪くなどめったにないことですが、更にホワイトアウトで全く視界がさえぎられるなんてことはまずありません。

豪雪地帯に住まわれている方々のご苦労は、我々の想像などはるかに超える思われます・・・


さて、毎週木曜日の五輪整骨院は午前中お休みをいただいて「研修」の時間に充てています。

今日は「検査・診断」の第4回目。「腰痛・坐骨神経痛」「膝関節疾患」「頚・上肢障害」・・・

ほとんどの整形外科的疾患を今回でおよそ網羅しました。


なぜこのような研修が必要かといえば「鑑別診断」の必要性からです。


来院される患者さんの中に「重篤な疾患」が陰に潜んでいる可能性があります。

それを見逃して、精査依頼が遅れれば生命の危険が及ぶケースもあるからです。

養成校で3年間習い、国家試験に通っただけの検査力・診断力だけでは全く足らないものです。


診断にはふたつが必要だと考えます。


ひとつはいわゆる「整形外科的徒手検査による整形外科的診断」とふたつめは「病態の原因を把握するためのオステオパシー的検査とその診断」です。

我々柔道整復師が「診断」とは名乗れず診断名はつけませんが、「診断がつくとすればこの可能性」というところで把握しておく必要があるのです。(また「内科学」や全般的な「臨床学」も知っておかないと、肩の張りや背部の痛みに「内科疾患」が潜んでるケースは間々あります)

今日の午前中で、整骨院に訪れる「痛み」を中心にした患者さんの「検査」「診断法」は一通り頭に入れてもらいました。


我々は業務範囲(痛みの施術による緩和)をどこまで広げられるかだけでなく、どこが業務の境界かをしっかり鑑別できる「診断力」が必要不可欠です。必要に応じた精査依頼など提携病院との連携が大事だと思います。

それを知った上で、安心してオステオパシーによる身体の正常化を目的とした治癒力本来のパワーアップを行いたいと思っています。


「それ知らないでアジャスト(矯正)とかしたらかなりやばいですよね・・・」(スタッフ)


そうです。私はオステオパシーを学ぶ間、一切のアジャストを封印していた時期がありました。

もちろん技術的には安全・高度なアジャストを行っていたつもりですが、オステオパシー(膜の治療)に取り組むためにある日直接法であるアジャストをやめる決意をしました。(アジャストの方がが速いしやりがいもありました)

オステオパシーの間接法による「リリース(解放)」は、アジャストに負けない、いや逆に勝るほどの威力があります。


ただし間接法は時間がかかる・・・(技術により時間短縮は可能です)


でももちろんオステオパシーにもダイレクト(高速低振幅スラスト)な直接法アジャストメントは存在します。

数年前に紹介されたオステオパスによる国際セミナー以来、少しずつですが再びスラストはやるようになりました。(スラストはやっててとても楽しいんです)

私がカイロプラクティックを学びたての頃だった30年ほど前、がむしゃらにアジャストを学びながら(みんな基礎医学もっと勉強しないで不安じゃないんだろうか?・・・)と思っていました。

いわゆる鑑別診断能力もなくて、矯正するための正しい判断はどうするの?・・・と疑問でした。


だから独学で学びました。


スタッフには一年かけて脊柱関節の構造や四肢関節の関節構造、関節運動学とその触診や操作方法を伝えて来ました。

カイロやオステのメソッドなども伝えました。

ようやく初診時に、自信を持って問診・診断をできる「検査・診断力」をつけるための知識・技術を伝えることができました。

もちろんまだまだ全員で学び続けてまいります。


スタッフたちの施術技術はかなりのレベルになっていると思います。

これからは初診時の「検査・診断力」により、より自信をもって施術に入って行けると確信しています。


オステオパシーは「正常を知る学問」です。

西洋医学は「異常を研究する学問」でもあります。


その両輪で「施術」は成り立つと考えます。


安心・安全・早期改善・・・これが我がグループのモットーです。