院長の独り言(「クレニオ(頭蓋骨)セミナー」)

2018/05/16 ブログ
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ゴールデンウィーク中のヒンヤリした空気が一変し、今日の仙台は30度を越す猛暑となりました。

5月2日から6日までの5日間、神戸で受講してきたダニエル・ウィリアムD,Oの「クレニオオステオパシー」は予想以上の内容で、受講者たちの満足度はウナギ登りでした。

クレニオ・・・頭蓋治療はA・TスティルからサザーランドD,Oが発展させた治療分野です。

今回はベーシックな内容の予定でしたが、終わってみれば非常に臨床的でクレニオのエッセンスが凝縮された素晴らしいせセミナーでした。

頭蓋解剖学がふんだんに盛り込まれ、頭蓋の学術的アプローチや概念そして相互張力膜を中心に、診断から治療への手順で進みました。

クレニオの診断は蝶形骨と後頭骨で結合する部分の変位を観察します。

脳脊髄液の流れとともに仙骨と後頭骨における相互張力膜により第一次呼吸メカニズムと言われる体液循環が行われていますが、この循環を促進させるために蝶形後頭底結合の病変(ズレ)を検査し調整することになります。

同時仙骨の動きも促進するため、第一呼吸メカニズムの動きに合わせて仙骨調整もおこないました。

別報としては腹臥位における前仙腸靭帯の調整テクニックもありました。


上部頸椎(私が最も愛しかつ最も重要と考える」においても)なども基礎的な内容のようではありましたが、構造的なバランス調整からワンランク上位のフルイドフィールド(液体領域)での操作法を指導して頂き、感覚の精度を高められたと思います。

仙骨の操作も同じですが、第一次呼吸に合わせて動きを誇張しながら、流れを促進しフルイド(液体)の動きを感じる・・・液体の動きとは仙骨の動きを(一次呼吸として)感じながら身体全体をいとつの液体の満潮としても同時に感じるということです。

そうすれば「タイド」「システム」「メカニズム」「リキッドライト」「ヘルス(健全)」・・・呼び名は違えど対象は同じ・・・が、身体を勝手に修正してくれます。

そこには介入や意図の概念はありません。

術者側のエゴを捨て、自然界に畏敬の念を持ち、謙虚になってサムシンググレートに感覚を委ねるだけです。

これこそがオステオパシーの原点です。


オステオパシーには多くの施術テクニックがありますが、全てにこのフルイドの概念が背景にあってこそ、効果に大きな違いが生まれます。


その意味では、オステオパシーの本質や概念を伝えるべくその一手法として紹介された今回の頭蓋治療(クレニオ)は、単なるメカニカルで基礎的なセミナーという紹介でしたが、非常に高度で深い内容であると同時に臨床にも役立つハイレベルなものであると言えました。


実際、セミナー後患者んに行った施術で舌痛症がその場で痛みの消失がみられたり、上部頸椎への手技の効果が数段上がっているなどの変化を感じられます。

全ての手技でフルイドの感覚にシフトすることで、タッチそのものがこれまでと自分自身で違いを実感しています。


ダニエル・G・ウィリアムズD,O・・・とても良かったと思います。


,S 今回も毎晩のように先生方との飲み会が続きました。

脚に現れた酷い浮腫みは、1週間で元に戻りました。

普段の施術・・・何気なくやってるようで、全身を使った身体にも良い運動にもなっていることを再確認しています。