院長の独り言(「五十肩について」PART①)

2019/03/25 ブログ
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気が付けばもう3月も終わり、桜咲く季節になっておりました。

忙しさからつい後回しになり昨年からすっかりブログもご無沙汰していまいましたが、また精力的に綴ってまいろうと思います。

五輪グループ(五輪整骨院・さいとう整骨院・だいのはら整骨院)では「五十肩特効治療」を始めました。

様々な痛みの中から何故「五十肩」をあえて特効メニューに加えたかというと、「関節拘縮が痛みに関連」しているからです。

この「関節拘縮」は五十肩では当たり前のように捉えられておりますが、膝や腰も含めて、関節の拘縮がもたらす痛みは体中にみられるものです。

あらゆる痛みに対してこの「関節拘縮」を基盤に診て行くことはとても大切だと考えます。

では「関節拘縮」を最も分かりやすい「五十肩」で説明してみます。

 

肩関節は肩甲骨と上腕との関節だけで動くのではなく、「腕を挙げるという動作」だけでも、肩甲骨・鎖骨・肋骨・背骨・・・細かく言えば体重移動も絡むので、骨盤や下肢までもが連動して動くことで初めて完結します。

お腹の中の内臓も、何か膜の制限でもあれば肩の挙上に問題を起こしてしまいます。

つまり脳にとって「五十肩」は、身体の異常を伝えるのには非常に手っ取り早い痛みの出し方であると言えるのです。

肩の違和感に気付きながらも、無理が続くと本格的に肩が上がりずらくなり、痛みが強くなって長引いてきます。

それでも多くの患者さんは(自然と治ることを期待して)放置します。(この時点で先ほど書きましたどこかの部位が動かなくなっているのですが・・・)

そして、いよいよ夜間痛や着替えの際の痛みが強くなり、我慢出来ない状態になって初めて病院や治療院に向かうことになるわけです。

そもそもは肩以外の場所の問題が、徐々に肩の動きを制限していきますが、痛みは肩にあるのでどうしてもそこばかり注目しがちになります。

痛みも初期のうちであれば、肩以外の悪いところを探して治療すれば簡単に治ってしまいますが、多くのケースにおいて我慢に我慢を重ね、悪化した状態で来院された時には「関節の拘縮」が出来あがっていると言うわけです。

関節に「拘縮」があると、肩以外の原因を施術しただけでは簡単には治らなくなっています。

そうです!慢性化して治りずらい痛みは、そこの関節に「拘縮」という一種の変性が生じているわけで、「原因の治療」+「痛い場所そのものの拘縮」を解決する必要があるのです。

「拘縮」とは関節が固まるということで、自然回復を待っていたのではとても時間がかかってしまうものです。

関節は、関節包や靭帯で固定されいる中で、筋肉が縮むことで動かされています。

「拘縮」とは、動かす筋肉が攣縮(スパズム)を起こし短縮し、固定している靭帯関節包が固く縮みこんでいる状態です。

本来動くべき軌道を逸して、軸ズレを起こした状態で関節包内を関節面が移動するので、さらに靭帯関節包に緊張をもたらし筋肉に痛みと硬化を引き起こします。

「関節拘縮」は負の連鎖を生み出し「痛み」「緊張」「血流障害」「発痛物質」「神経反射による筋スパズム」「反射による交感神経亢進」「血流障害」「痛み」・・・が出来あがってしまうのです。

 

次回は、「関節拘縮」に対する診かたと処置法を発信します。

やはり診断が大事です。どこがどう悪いのか?施術の順番は?必要な手技は?

診立てがなくては治療はあり得ません。

特に拘縮が進んでいると、間違った施術で逆に痛みが増すことさえあります。

つらい「五十肩」に対する「関節拘縮」メカニズムが分かると、その他の痛みに対しても、治療の原理原則があてはめられようになります。

では次回、もう少し詳しく掘り下げて綴ってまいりましょう(*^_^*