「院長の独り言(不眠症について)」

2019/05/21 ブログ
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不眠症について書いてみます

「不眠症」には入睡障害と夜間覚醒と早朝覚醒があります。

いずれも自律神経の交感神経優位がもたらす症状になります。

いわゆる神経興奮が睡眠を妨げている状況といえます。

理想としては睡眠時に副交感神経優位のリラックス状態で寝れれば、スコッと寝て朝までグッスリ!目覚めで「あああ~良く寝た~~~!」となりたいわけですね。

何故そのような理想の状態にならないのか?

そこを解説して行きたいと思います。

 

睡眠は「脳の疲労」を休めるために必要といわれます。

惰眠を貪(むさぼ)るのは、身体の疲れよりも脳の情報を処理するためのようです。

脳は五感を通してたくさんの情報をストックします。

視覚・聴覚・触覚・温度や湿度や痛み・・・特に視覚からはかなりの情報量が入りますね。

それら雑多な情報を統合整理しているのが脳ですから、脳はかなりのエネルギーを使う訳です。

田舎で自然を見ながらのんびり過ごすのと、都会で満員電車に揺られパソコン相手に文字や図形に埋もれて生活するのとでは、脳の疲労には格段の差が生じるわけです。

整体的に脳の機能をみてみます。

脳の疲労は睡眠時以外もちろん日中でも回復はします。

脳の栄養は血液中の糖分が99%以上が担っていますから、血流が良好であれば脳は栄養も受け取れ、老廃物も排出できます。

では血液循環が滞る原因はどこにあるのでしょうか?

静脈・リンパが流れれば動脈は循環できます。それができなくなるのが「浮腫(むく)み」です。

脚はよく浮腫みを自覚しやすいところです。

実は脳も「浮腫み」を起こします。

脳への動脈血(栄養)は、頭蓋骨にあいている穴から確実に脳へ送られます。

静脈(老廃物)に関しては、頭蓋骨の縫合線の間にある半円同士で作られる穴から排出されます。

また、頚静脈は頚椎前面にある筋肉(胸鎖乳突筋)に寄り添って走っています。

と言うことは・・・

1、頭蓋骨の縫合が固く閉じてしまうと、静脈・リンパは流れでない

2、頚部全面の筋肉(胸鎖乳突筋)が緊張すると、静脈・リンパは流れない

すると、浮腫んだ脳へ動脈血は入って行けない状況になってしまいます。

 

この2つを解決するためには・・・

正しい重力バランスを確保して頚部の筋緊張を緩める必要がある。

そして、骨盤を調整し、頭蓋骨の縫合を緩めて、脳脊髄液を循環させるポンプ作用を効率化する必要がある。

と言うことになります。

脳に入った動脈血が「脳血管関門」と言われる「脳室の脈絡叢」で透明な「脳脊髄液」に変わる所があります。

この「脳脊髄液」は脳や脊髄そして神経を栄養を満たし、さらに内臓や筋肉をも栄養させるミラクル体液です。

この「脳脊髄液」を循環させているポンプの駆動力となっているのが仙骨と後頭骨&蝶形骨の連動した動きになります。

 

脳は循環が悪いと、浮腫んで「うつ熱」と言われる高温状態でもがきます。

さらに考えすぎや情報の詰め込み過ぎは脳の混乱を招き、脳自体が栄養を要求してきます。

これがストレスにさらされた状態・・・甘いものが食べたくなり、お酒やたばこでまぎらそうともします。

脳の疲労を身体に置き換えることで脳を休めようとしますが、もちろん一時しのぎに過ぎず、身体を壊し病気を作り、それはまた脳へのストレスとなって返って来てしまいます。

 

睡眠障害に対する施術は、首と骨盤の調整が中心となります。

もちろん頭蓋骨へのアプローチはかかせません。

 

それにプラスして、栄養バランスのアドバイスも必須になります。

自律神経を整えるには、身体全体の代謝が正常であることが大切です。

最近、不足がちとされるのが、「鉄分」「カルシウム」そして良質の「タンパク質」です。

神経伝達にビタミン類やミネラルはもちろんですが、消化酵素やホルモンはほぼタンパク質で出来ています。

身体自体がタンパク質で出来ていますし、身体の中で消化酵素やホルモンなどは日に数リットルも作られ利用されていますが、これらの酵素もタンパク質が主原料となっています。

脳内ホルモンのドーパミンやセロトニンなどの幸せホルモンは大方腸で作られるので、腸の健康は脳に直結しますから、食べ物は「睡眠」にも強く影響するのです。

 

睡眠障害について、ずらっと述べてみました。

施術において施術者側ができること、患者さまができること、双方が相まって、熟睡できる身体に変化して行きます。

考えすぎを控え、少し身体を動かすことに移行してみることがいいと思います。

でも、身体ありきですので、まずは身体の問題を施術で解決するのが早道であるのは間違いないところです。

お困りの方は、ご連絡下さい。

 

,S 脳科学者の茂木先生の本に書いてありました。

脳は、情報あふれてしまうと疲弊してしまいます。情報の隙間を作ることです。

そのためには「感謝の気持ち」と「自然を愛でる気持ち」が大事だということでした。

悩み(お金・仕事・学校・・・)は最終的には対人になるといいます。

人に感謝し、自然に目を向けると、脳は喜ぶみたいです。