腰痛・肩こりの原因になる姿勢...vol2~大腰筋の重要性~

2025/08/04 症状別|腰

「大腰筋」はお腹側の深層にあり、腰椎(5つ)の横突起に付着して左右の股関節前面内側に伸びる筋肉です。

腸骨(内側面)から股関節の同じ場所に伸びる筋肉は「腸骨筋」と呼ばれ、「大腰筋」と合わせて「腸腰筋(ちょうようきん)」と総称されています。

 

この「大腰筋」の作用としては
1、姿勢を安定させる
2、骨盤のバランスを整える
3、立位でももを上げる(又は仰向けで上体を起こす)

の3つが挙げられます。特に上半身と下半身を直接繋ぐ唯一の大きな筋肉であり、「大腰筋」を連動させて全身を有効に使えれば、走る動作や軸回転を必要とする野球やゴルフなどの捻転運動でも高いレベルのパフォーマンスを発揮することが出来ます。

この筋肉は深層に隠れ意識しにくい場所ですが、アスリートは一般の人に比べ倍近く太くなっていることが明らかになっており、どんな方でも「大腰筋」を鍛えることで、多くの痛みから解放され正しい姿勢と質の高い健康、パフォーマンスを獲得することができます。

ではどうやってこの筋肉を鍛えればよいのでしょうか?

まずは「大腰筋」を代用してしまう周辺筋群を開放していくことが優先されます。

それには腸脛靭帯(大腿の外側のスジ)・腹直筋(最も表面にある腹筋)・鼠径部(股関節前面の付け根)の固着を緩めることです。筋肉は緊張が続くと筋肉同士の癒着が起こり、他の筋が作用する前に先に収縮する傾向があるため、これらの緊張を緩めておかないと、「大腰筋」が作用してくれないのです。

次に「大腰筋」が作用しやすいように連動すべきポイントを活性化しておく必要があります。

それには
1、足全体の活性化
2、腰方形筋を緩める
3、胸腰部を緩める
4、四股踏み
5、マッケンジーエクササイズ

1、足首の運動は膝を通して股関節に連動します(股関節に触れながら足首を動かすと微かな動きで連動するのを実感できます)。股の付け根は(二つの)股関節でなくへその奥(一ヶ所)にあると想定してください。ここが「大腰筋」の最上部になります。

全ての動きは「大腰筋」から起こって連動させます。足が活性化すると「大腰筋」から連動して下肢がスムーズにしなやかに動かすことが出来ます

2、「腰方形筋」は「大腰筋」のすぐ裏にあり、腰痛の原因になりやすい筋肉です。腰の後面にあり腸骨や腰椎と浮肋骨(第11・12肋骨)を繋ぐ筋肉で自分の親指でも腰に手をまわして押せる筋肉です。

この筋肉が緊張すると「大腰筋」が作用しずらくなります。また腰の伸展もしずらくなり腰痛やギックリ腰では必ず固着を起こしている筋肉です。

3、「胸腰部」は腰の上又は背中の下のあたりの部分で、あぐらや体育座りで丸くなるところです。ここが丸く硬く(屈曲拘縮)なると、当然良い姿勢と取る大きな障害になってしまいます。

ここは「大腰筋」と密接に繋がる場所で、腎臓や「大腰筋」に神経を供給するところでもあり、当院で最も重要視する治療ポイントでもあります。

4、深層筋の筋力低下は重力バランスを崩しますが、「内転筋」も姿勢を維持するためのインナーマッスルのひとつとされています。ここが筋力低下を起こすと重心が外にはずれ左右に揺さぶって歩くようになります。

また「内転筋」の筋力低下は腸脛靭帯に負担をかけ、「大腰筋」の作用を邪魔するだけでなく、股関節や膝関節の痛みの原因にもなります。足先をなるべく外に向け、股関節を割って四股を深く踏むとこの「内転筋」は強くなります。

5、このエクササイズは腰から上を反らせるための運動になります。うつ伏せで手を使って上体を反らせます。腰仙部(腰の付け根)や胸腰部を反らせることで姿勢を矯正します。

日常では屈んだり、あぐらや長座などで背中を曲げる機会が多くとも、身体を反らせる機会は極端に少ないと思われます。体の前面を伸ばすエクササイズは毎日行うべきでしょう。

一般の方には少し難しくなったかも知れませんが、ここに書いたものは全てご自身でも出来る内容になっています。また治療家の方々にも是非知っておいて欲しい内容でもあります。

来週はもう少し姿勢についてつっこんでみます。また治療の内容や自分で出来る意識や「大腰筋」を鍛えるための運動法、そして走り方または体にいい歩き方などを綴ってみたいと思います。

               ~  続く  ~