「自律神経と上部頸椎」その①
自律神経の問題に有効な上部頸椎の治療についてお話していこうと思います。
自律神経とは意志にかかわらずオートマティックにコントロールされている神経系のことで、内臓の機能や環境に対応して変化・対応する系をいいます。
内臓のほとんどをコントロールしている迷走神経(第10脳神経)も自律神経系のひとつで、頸椎1番の横突起の前面を通るので、上部頸椎の問題は内臓機能にも大きく影響します。
それでは上部頸椎について少し見ていきましょう。
「上部頚椎」・・・中枢神経である「脳」と「脊髄神経」のスウィッチ部分であり、大きな可動性を有し椎間板を持たないこの部分は、外傷による衝撃に対し特異的にズレを引き起こす、身体の中で最も重要な治療ポイントのひとつです。
生きている間、脳幹の先端にある延髄は上部頚椎にまで下がってきていて、死亡すると頭蓋に引っ込んでしまいます。延髄からは脳神経の一部が起始しており、呼吸・心機能・血液循環・消化・代謝など運動性・感覚性・自律性の神経核が存在し、生命の基本的で重要な作用をいくつも請け負うところとなっております。
カイロプラクティックの創始者「D,D,パーマー」は脊髄神経と各内臓との自律神経的の繋がり(メリックシステム)を調整すべく、うつぶせの患者の背骨に対する素早い矯正(メリックリコイル)を開発しました。
その息子2代目「B,J,パーマー」は、矯正すべき椎骨をいつ・何故・どのようにすべきかを考え、カイロプラクティックの新しい概念「メジャー」「マイナー」論を唱えることとなりました。
アジャストすべき骨は一ヶ所で充分であり「メジャー」が整えば「マイナー」は自然調整されることを発見しました。
彼は臨床で研究する傍ら妻を医学校に入学させ、夫婦で人体メカニズムを研究しあらゆる条件の中から、「上部頚椎」をメジャーとする治療体系を確立しその重要さを認識するに至りました。
そして完成したのが上部頚椎を特異的にアジャストする「ホールインワンテクニック」でした。当時は「ニーチェストテーブル」に頭を横向きに乗せ、術者は豆状骨を頚椎一番の横突起(または後弓)に当て、目にも止まらぬ速さでアジャスト&リコイルをしていました。
それはものすごいスピードとコントロールされた方向性と振幅によるアジャストであり、患者の頭が反動で大きくバウンドするほどの衝撃でした。一瞬の嵐が突然起こった後の静寂が余韻として残る・・・そんな迫力の映像を某ドクターのところで見せてもらったことがあります。
B,J,パーマーーの研究熱心さはつとに有名で、どれほど仲間達と治療話しで熱気が帯びていようとも夜の早い時間のうちに「グッバイ,ジェントルマン」と決まり文句を云って寝室兼書斎に入って行ったといいます。
B,Jは医師・看護士・臨床検査技師などを雇い「リサーチクリニック」と称する病院を経営していました。ここは全世界のカイロプラクターが抱える難病とされる患者を集め、全ての検査を行い「上部頚椎」のみの治療であらゆる疾病を改善させていました。
頚椎部の温度を計測し、そのグラフを元にアジャストのタイミングを決め、リスティング(椎骨の変位方向)を出したら唯一一度きりのアジャストを行いました。
その後グラフのパターンが改善している間は入院施設で2~3週間から数ヶ月安静にして経過を観察しました。多くのケースで必要なアジャストは1回多くて2回だったと云います。
彼は検査治療にレントゲンを早期に取り入れ、ラジオに出演してカイロの啓蒙も行い、学校も設立し経営的にも優れた才能を発揮し、全世界にカイロプラクティックを知らしめその発展にも寄与した偉大な人物でした。
現在ではドロップを使った「ターグルリコイル」が主流となり、ニーチェストテーブルでの「上部頚椎バイオメカニクス」や機器を使った「アトラスオーソゴナルテクニック」などテクニックのバリエーションは増えています。
ただ、現在は当時のように入院システムの中で継続治療をすることが適わず、日常生活をしながら施術を受けるケースがほとんどであるため、トップtoダウンの治療形態だけでなく重力に対するバランス治療も加味する必要があると思われます。
~ 続く ~
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