院長の独り言(「1Q84」・・BOOK3を読んで!)
2010/06/23
「1Q84」BOOK3を読みました。
BOOK1・2では、1984年における日本を時代背景に、当時起こった様々な事件や不可思議な現象が描かれました。
主人公と云うべき何人かの人物が同時期に、全く別の次元で、全く別の出来事として、それらが空想と現実の狭間で展開して行きます。
BOOK3を通し、それらは思わぬ関係性で繋がり出すと、次第に全く違うベクトルからひとつの方向へと向かい始めます。
「月がふたつある」
それを知る人はわずかしかいません。
しかし、それを知った人は時代の大きな流れに翻弄されながらも、我を見失わずに希望を持ち続けた人にのみ現れる現象・・・
間違いに気付きながらも現実から逃避してきた人生ではあったが、死ぬ間際に現実に向き合い、自分に回帰出来た時・・・その人も「月がふたつある」世界で最期を迎えます。
空に「月がふたつある」・・・「何かがおかしい!」
現実に生きているこの世は、何かが間違っている。
当時も今も、日々起こる凶悪な事件や、日常の軌道を逸した些細な事件にまみれたこの世の異常の中、自分を失わず、純真なこころで、真実に目を向けた人がいれば・・・この本を読んだ人にだけ・・・空を見上げた時、もしかしたら「月がふたつある」・・・と気付くことがあるのかもしれません。
リトルピープルは何者か?
リトルピープルは現実そのものを具現する、現象そのものなのではないでしょうか。(神の所業とも云えるか?)
時に残酷で、時にメッセージを送り気付きも与えてくれる。
リトルピープルはただ気付いて欲しいだけです。現実として、世の中の現象を通してただ、世の異常に気付いて欲しいだけ。
「宗教」や「量子論」や「哲学」などは、「世の理」(ことわり)をいかに説明するかの学問ともいえます。
それらを理解するのは非常に難しい。時間と労力を必要とします。
村上春樹は、小説を通して「世の理」を伝えたかったのではないでしょうか?
最後に、純愛を信じ続けた「青豆」と「天吾」は本当の真実の世界へと帰って行きます。
そこはたぶん「月はひとつ」だけ存在するのでしょう。
そして、そここそ平和で純粋な世界であって欲しいとの(著者の)願いがこもっている気がします。
「1Q84」・・・超空想的ハードコア純文学、と私は解釈しました。
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