院長の独り言「何と言ってもやっぱり膜!」
2009/05/21
昨日は毎週水曜日恒例の勉強会でした。
たまに「今日はお互いの治療をしましょう」ということにすればその日は至極の時間を迎えられることとなります。(昨日は至極の時を味わいました!)
そして各スタッフの治療感覚をチェックできる絶好の機会にもなるのですが、なるべくは多くの治療メソッドや技術指導にも時間をさきたいとは思っています。
多くの解剖書や技術書を読んでいるうちにいろんなテクニックやバランス治療に対するアイディアが湧いてきます。
最近は、「アナトミー・トレイン」という良書と出会えたおかげで、ますます筋膜に対するアプローチに大いに参考となる情報を得ることが出来ました。
重力に対し筋力を使わずとも(エネルギーの浪費なく)立位または座位などでバランスがとれるのは、安定した筋膜による張力バランスの賜物です。
この膜の連絡を列車に例えて一定のラインで身体を支える基準線、またはパフォーマンスする際の支持ラインとして作用する基準線として、明確に筋膜を取り上げた珍しい解剖生理学の解説書です。
興味深いのはこの「筋筋膜経線」と呼ばれるラインが東洋医学の経絡のラインと一致することが多いところ。そして何故・・・PNFが有効に働くか・指の操作で首が治るのか・姿勢の改善に膜の調整が有効なのか・中足骨の操作が腰痛を治すのか・痛みの発症メカニズムやその対策・・等々の解明にとても参考になります。
以前から、筋膜ラインのわずか密になったラインに経絡ラインが走行しそこに「気」もしくは「エネルギー」が流れていることは知っていました。PNFでもその邪気で滞った筋膜の微妙な固さに焦点を定めて流れるのを感じるまでふんわりと保ちます(患者さんにとってはめちゃ気持ちいい感覚です)。これは多くが表層の経絡に沿ったラインの調整になります。
経絡と筋膜の走行がイメージできると、治療のポイントが明確になり、リバランスするのに遠回りせず短時間で術者側の目的が達せられます。
いつも思うのは、膜の制限を表層から取るか深層から取るかの順番が重要だということです。
まずは新旧問わず外傷による膜の歪曲は最初の治療で開放しておきたいところです。そして胸郭内や腹部及び骨盤内臓器における膜の制限も初期の治療で開放しておきたいのは従来と変わりはないのですが、問題は主訴に多い深層にある腰や背部や頸部または肩周りなどの脊柱由来の症状を取る際、表層の膜の制限を先に開放する必要があるということです。
前回のオステオパイシー国際セミナーでGOTを実践しながら、昔よくやったスラストを多く取り入れだしました。目覚しい効果を上げる条件として、何の抵抗もなくさらっと関節を調整するためのセットアップ時の手ごたえがパーフェクトでなければなりません。
これが表層の膜(いくつも関節をまたぐ急行列車)の制限を除去しておくことで、深層の膜制限(各駅停車の鈍行列車)に難なく張力をかけることが出来、スムーズななセットアップそして快適なスラストが達成できるコツとなります。
これがないと、手ごたえのあるところまで強引なセットアップを強いてしまい、なおかつ力まかせ一か八かの矯正になってしまいます。
表層筋膜や経絡ラインの治療は「気」のバランスや循環システムに大いに貢献します。しかし深層の筋膜が重力バランスを担う重要な役割を持つためここまで操作しないと、表層はすぐに滞ってしまいます。
このあたりは東洋医学の虚実の関係に近くなりますが、だるさ違和感は虚証で陰経(臓)の問題、痛みつっぱりは実証で陽経(腑)の問題として大まかにとらえると繋がってきます。
いずれ浅層・深層の筋膜経線と呼ばれる膜(ファッシア)を「優先順位に則って調整する」ことで互いにもつれた糸を解し合うことができれば、副次的な効果が連鎖的にそして自動的に引き起こされるものと考えられます。
例えば「シンスプリント」のケースであれば、まずはPNF技法の1Pで浅後線(足底筋膜からハムスト,起立筋を通って帽状腱膜まで繋がるライン)を調整し、距腿関節・足根骨及び中足骨を調整します。股関節(ソケイ動脈含む)、下腿骨の長軸に沿った骨膜調整の後最後に再び1Pで今度は直接後脛骨筋(深部の筋膜ライン)に当たりをつけて調整します。
これは四肢の治療ですが、体幹部の治療はもちろん内臓をからめたより複雑な治療になります。決まった手順というのは状態が症状により異なるので明確に示すことはできません。
治療の醍醐味は何かの制限を見つけどこから優先して開放していくのか?を見つけ出し、施術しその変化を患者さんと共有することに尽きます。
その対象が「膜(ファッシア)」であり、それを感じ取り方法は何であれそれが開放された時に手ごたえとして「OK!グッジョブ!」となるわけです。
治療はその連続で、時に悩んだり苦しんだり喜んだりしながら更に探求心にどんどん火が着いてしまうんですね。
こんな話しになるといつまでも終わらなくなるのがいつもの勉強会。昨日はお互いの治療で10時には終了してしまったので、今日はスタッフ向けの内容になってしまいました。(解りづらくてすいません)以上!
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五輪整骨院
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