院長の独り言(下顎の役割④)
2009/10/26
チーターが疾走しながらカーブをきる際、体は斜めになりながらも頭だけは重力線に対し垂直位を保持します。
空を飛ぶトンビなども左に曲がろうと翼の角度を変えて体が斜めになっても、顔だけは垂直線に一致しています。
学生時代、仲のいい先輩とハワイに行ってハンググライダーに乗った時、インストラクター(外人さんでした)に教えられた通り、つかんでいた手すりを右に傾けけるとうまく左に旋回出来ました。やはりこの時私とインストラクターの2人は、体の傾きに対し頭は垂直を維持していたはずです。
これは蜂も同じで、多くの生き物は進路を変える際頭の位置を真っ直ぐにしたままで、体だけを傾けて右に左に曲がります。
何故こういった動作が起きるのでしょうか?
それは重力に対する自分の状態を把握するために、目線と平衡感覚を司る聴覚が常に水平になっている必要があるからです。
この平衡感覚を維持するメカニズムは、複雑な神経回路だけで作用させても瞬時には対応できません。神経だけが働いたのでは科学的に計算しても驚異的なスピードが必要とされ間に合いません。もっと物理的にシンプルなメカニズムがないと説明がつかないのです。
それが下顎の役割のひとつとされています。
つまり、頭にぶら下がったかたちの下顎はバランスの重りの役目をし、その傾きを顎関節にある固有受容器(センサー)が感知し、瞬時に(反射的に)体の立て直しが起こるわけです。
この下顎のバランス機構は、頭が頚椎一番の上で取っているバランスと二重のやじろべえ機構として働いています。
もしTMJに問題があって、噛み合わせが悪くなっていたり、顎の緊張が強かったり、痛みでバランスが悪くなっていると、頭のバランスや体全体のバランス保持に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
歯医者さんで詰め物を削る際を考えて下さい。頭を後ろで傾けた状態で歯がカチカチ当たる感覚と、前に傾けてカチカチした時の違いを感じてみれば一目瞭然です。
座った状態で顎の力を抜いて、体を前後または左右に傾けてみると、下顎が傾いた方向に結構移動することが分かると思います。
噛み合わせが変わってしまわないように、歯医者さんで噛み合わせのチェックをする際は必ず上体と頭を垂直にしてカチカチして下さい。
噛み合わせの重要さを再認識し、顎のバランスが身体のバランスに強く影響することを知って下さい。
明日は顎の解剖や重要な役割を踏まえた上で、その治療法やパフォーマンスについて少し述べてみましょう。
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五輪整骨院
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