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院長の独り言(病巣感染・・③)

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院長の独り言(病巣感染・・③)

院長の独り言(病巣感染・・③)

2010/05/28

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「木を見て森を見ず」

現代医学が分子生物学をきっかけに、専門科目に細分化され分子レベルでの研究が進み、さらには遺伝子の配列までも解明されてなお病理の本質はなかなか解明されず、いつの間にか全体像を診る方向性が見失われてしまった感のある今・・・

「仙台社会保険病院」勤務の腎臓内科に勤務する堀田医師は、口腔や咽喉領域にある一次感染症が様々な病理の元になっている、と提唱された学術論文を手がかりに、臨床の中で多くの実績をあげておられます。

まず、慢性免疫病について。

慢性免疫病とは、自己免疫疾患(自らの組織を免疫系が非自己と認識し誤って攻撃破壊をしてしまう疾患)であり、膠原病・アトピー性皮膚炎・リウマチ・潰瘍性大腸炎・慢性甲状腺炎・IgA腎症など現代医学をもってして治癒せしめるに至らない多くの病態を云います。

他にも多くの「慢性免疫疾患」と呼ばれる病気が存在しますが、それぞれがリウマチ内科・皮膚科・消化器内科・腎臓内科など細分化された専門分野での診療が行われています。

20世紀初頭にドイツで病巣感染学会が設立され、「扁桃」を感染源とした骨・関節疾患を中心に多くの二次的病理疾患との関係性が研究されました。

日本でも1962年に耳鼻科医を中心に「日本扁桃研究会」が発足し、扁桃を病巣感染の主要臓器として、そこから引き起こされる二次疾患との研究が進みました。

「病巣感染」とは、扁桃などに慢性的な感染(溶連菌)があり、そこの一次感染が他の組織器官に二次的感染症を引き起こす、現疾患の元になってしまうことを云います。

一次的な「病巣感染」として扁桃()の他に、慢性副鼻腔炎・虫垂炎・歯周病・中耳炎・胆のう炎なども含みます。

20世紀初頭にアメリカのビリングス医師が提唱してから、原病巣の虫歯の抜歯やのどの扁桃を切り取る「扁摘」が大流行した時代がありました。

日本でも30年以上前に「扁摘」が多く行われた時期がありました。風邪を引くとすぐに扁桃腺が腫れ高熱を出すのを繰り返す人は、医師の勧めでこの「扁摘」がよく行われました。

当時から「扁摘」がきっかけで風邪を引かなくなったり、身体が丈夫になった人や、頭痛・肩こりがなくなった人などが多くいたようです。

しかし、米国中心の臓器別・分析医学の波に飲み込まれ、徐々に「扁摘」は行われなくなっていきました。

そのような時代背景の中、堀田医師は慢性腎炎や膠原病の患者さんたちを診ている中で、「病巣感染」の概念のもと「鼻咽腔」と呼ばれる領域に着目し臨床を重ねていきます。

耳鼻科の先生たちの中でも「鼻咽腔」とは聞きなれない名称で知らないと云われる医師も多いと聞きます。

堀田医師が「慢性免疫病」に含まれる「IgA腎症」(10年~20年など長期間を経て人工透析へと移行してしまう病気)を中心に、扁桃や鼻咽腔と呼ばれる領域の慢性炎症を治療することで、治癒させてきた実績を踏まえ・・・これら咽喉部分を中心に「病巣感染症」なるものをさらに掘り下げてみます。

                 ~  続く  ~

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